テレビ朝日、AbemaTVで放送中の番組『フリースタイルダンジョン』。毎週テレビでMCバトルが観られるなんて夢のようですよね。チャレンジャーとモンスターが繰り広げる名勝負やゲストライブのパフォーマンスが格好良かったりすると思わずテンション上がってしまいます。筆者は毎週の放送後、余韻に浸りつつ「もしダンジョンにあいつが出たら…」なんて妄想を楽しんでいます。
今回は、そんな妄想の中で浮かんできた20代半ば、それ以上の世代から11人をピックアップしてみました。(高校生〜20歳前後のラッパーはまた別の機会に書こうと思います。)
書いていたら長くなってしまったので予めリストを載せておきます。(名前をクリックすると飛べます)
「フリースタイルダンジョンに出てほしい11人」
- SIMON JAP
- 菊丸 ※3rd season Rec 1にTEAM KIKUMARUとして登場
- RAU DEF
- NIHA-C
- アスベスト
- 抹 a.k.a. ナンブヒトシ
- MCサーモン a.k.a. とろサーモン久保田 ※3rd season Rec 2 に登場
- PUNPEE
- 鎮座DOPENESS
- ANARCHY ※2016 / 7.3に放送されたAbemaTV 特別編 MonstersWar にLive Actとして出演
- KREVA ※2016 / 6.8 追記
SIMON JAP
現在活動休止中のSIMON JAPですが、今に繋がるMCバトルの盛り上がりを “プレイヤー” として支えた功労者のひとりであることは間違いはありません。その実力はZeebraやKREVAも認めるほど。
元々親交があったZeebraからの誘いで2011年に放送されたフジテレビの番組「神々の勲章」のコンテスト企画にエントリー。その場で見事Zeebraの楽曲に客演参加する権利を勝ち取り、約束通りZeebaraの8thアルバム「25 To Life」に客演参加。その後、SIMON JAP自身のアルバム「THE FIRLAST」の客演にZeebraも参加するなど、良き先輩後輩の関係性が伺えます。
また、SIMON JAPのお兄さんとKREVAが同じバイト先で働いていた関係で、その時期にKREVAとも親交があったようです。2013年にKREVAがKEN THE 390の超・STREAMにゲスト出演した際、頭文字 “S” の気になるラッパーのひとりにSIMON JAPの名前を挙げていました。YouTubeに載っていたバトル動画がたまたま目に留まったようです。
MCバトル好きにとっては戦極MCバトル9章でのMr. Smile戦のインパクトが強いかもしれませんが、他にも語られるべきベストバウトは数多くあります。フリースタイルダンジョンでも並み居るモンスター相手に即興で繰り出される固いライミングと男気で名勝負を残してくれるはずです。
戦極MCバトル第5章: vs チプルソ
BEDでBET! 16万争奪MCバトル: vs 鎮座DOPENESS
菊丸
2010年BBP U-20 MCバトル優勝者。2011年UMB東京予選ではサプライズエントリーした漢 a.k.a. GAMIを破るなど、関東のMCバトルでは同世代を引っ張る存在でした。ライブ活動や音源制作の活発化に伴いバトルでの存在感は徐々に薄くなっていったように感じますが、その実力に疑いの余地はありません。
2015年に惜しまれつつも解散した町田のクルー “孔雀” 時代にはKEN THE 390主催の超ライブに出演。また、”孔雀” の最初で最後のアルバムとなった「6 SENSE」をサイプレス上野率いる “ドリーム開発” からリリースするなど、ダンジョン出演者とは浅からぬ縁があります。
現在は世田谷のクルー “KANDYTOWN” に所属。ニューヨークでの武者修行を経た2016年6月にはソロアルバム「ON THE KORNER」リリースが控えています。きっと一皮むけたラップを聴かせてくれるに違いありません。
戦慄MCバトル vol.14: vs 焚巻
KIKUMARU – 363 Dayz
RAU DEF
2011年にZeebraに対して実力試しのBEEFを仕掛けた問題児(2015年に和解)。2009年BBP U-20 MCバトル予選 ZORN戦での徐々に熱を帯びるフリースタイルバトルは語り草。映像に残っているバトルを見る限りこの頃が一番キレていたのではないでしょうか。
一方、音源面ではここ数年ソロEPやクルーで制作したアルバムを発表していますが、なんといっても2010年に発表した傑作アルバム「ESCALATE」の続編「ESCALATE II」を2015年に発表するなど、 “日本一ラップの上手い男” と評され期待されていた過去の自分を上回るような作品をリリースしています。
果たしてRAU DEFがフリースタイルダンジョンに挑んだらどうなるのでしょうか?やんちゃな時代のRAU DEFに抱いてしまった “幻想” を未だに捨て切れません。
vs ZORN (ex. ZONE THE DARKNESS)
「ESCALATE II」INTERVIEW w/ SKY-HI, PUNPEE
NIHA-C
THE罵倒との共同開催だった戦極MCバトル7章では準決勝で現在フリースタイルダンジョンの審査員を務めるERONE相手に惜しくも敗戦しましたが、勝ち上がる過程で並み居る強豪相手に決してひるまずに攻めていたのがとても印象的です。
一方で、ONE BY ONE REMIX コンテストを期にSKY-HI主宰のインディペンデントレーベル “BULLMOOSE” に加わり、同レーベル企画コンピ「FLOATIN’ LAB II」への参加や、1stアルバム「BRIGHT LIGHT」をリリース。
「注目してくれ やり過ぎなくらい期待してくれ 倍にして返してやるから だって俺のなるべきはスーパースター」- “BULLMOOSE ANTHEM”
今後更なる活躍を見せてくれるであろうNIHA-C。今だからこそ彼のバトルが観たいです。
“BULLMOOSE ANTHEM” / NIHA-C, Moro, SKY-HI
盟友・電波少女のゲストライブも観たいです。
アスベスト
いまや日本を代表するMCバトルイベントになった戦極MCバトル。その前身イベントである戦慄MCバトル時代にMC正社員をイベント運営に誘ったのはアスベスト。そういう意味では間違いなく重要人物のひとりです。
その戦極MCバトル主催レーベル “戦極CAICA” はこれまでにACE、MOL53、田中光の作品をリリースしてきましたが、何故かその影に隠れがちなのがリリース一番手のアスベスト。2014年に発表された般若の8thアルバム「#バースデー」ではKOHHと共に客演に抜擢されたことが話題になった…のも今となっては過去の話。
「今日のパーフェクトよりも明日のベスト 昨日のダイジェストよりも明日のベスト
そうすりゃきっと明日を歩けるよ そんなお前を誰が嘲るの?
黙らせてやる、俺がアスベスト 不様だろうが尽くしてくベスト」- 明日のベスト
筆者はライブを観てアスベストのファンになりました。昭和レコード主催の “乱 THIS TOWN” でのライブパフォーマンスは今でも忘れられないです。ダンジョンで観たいラッパーのひとりです。
ADRENALINE 2014: vs GOLBY
「FA宣言」発売記念インタビュー。アスベストの魅力を語るSKY-HI。
抹 a.k.a. ナンブヒトシ
ネットラップ界隈で活躍していた印象が強かったですが、実は古くからMCバトルの現場でも活躍しています。過去には佐々木希と楽曲で共演するなど多岐にわたる活動をしている確かなラップスキルの持ち主です。
2016年4月には満を持して1stアルバム「諦めのススメ」を発表。酸いも甘いも経験したであろう彼のラップには説得力のあるパンチラインが満載です。
1st「諦めのススメ」トレイラー
MCサーモン a.k.a. とろサーモン久保田
最強のお笑い芸人ラッパーを決める大会を戦極MCバトルと共に企画。自らその大会に出場し2連覇を果たした自他共に認めるMCバトル大好き芸人。
彼の口から出る言葉は間違いなくリアル。そして当たり前ですが話が抜群に面白いです。お笑い芸人がモンスター相手にどこまで爪痕を残せるか非常に興味があります。
本人的にはそんなことを考える余裕はないと思いますが、テレ朝の人気バラエティ番組「アメトーーク!」”日本語ラップ芸人” 実現へ向けての足掛かりとなるような “名勝負” をして欲しいと勝手に期待しています。
PUNPEE
水曜日のダウンタウンのOPテーマや、CM楽曲制作など独特な感性を武器に楽曲制作のプロデューサーとして才能を発揮しているPUNPEEはMCバトルでの活躍がきっかけとなり楽曲が注目されたラッパーのひとりです。
現在でもライブで披露する程にフリースタイルは得意なようですが、個人的にはチャレンジャーとして挑んで欲しいとは思ってませんし、全く期待もしていません。ではなぜこのリストに入っているのか。ゲストライブで見たいからです。
加山雄三 “お嫁においで” のRemixや代表曲のひとつ “Renaissance” をお茶の間に披露して欲しいと思っています。ファンになる人が一気に増える気がします。
Twitter上ではこんなコラ画像も↓。ライブで “お嫁においで” 披露中にご本人登場、みたいな展開も妄想してしまいます。
鎮座DOPENESS
UMB2009王者。自由自在なフロウで観るもの全てを楽しませてくれるのは確実。
2012年には戦極MCバトル6章で優勝。その後、DARTHREIDER主催の16万円争奪MCバトルでは当時UMB2連覇中の晋平太を破り、更には年末、漢 a.k.a. GAMI相手に3度延長戦にもつれ込んだ激闘を制すなど、その実力は並み居るモンスターと比べても全く引けをとりません。
一部で話題となっていた “拙者が運転者” というワードを晋平太から引き出したのも鎮座DOPENESSです。ダンジョンのモンスター相手に歴史に残る名勝負を作ってくれることは間違いありません。
vs 晋平太
vs あっこゴリラ
ANARCHY
国内ヒップホップを代表するラッパーのひとりANARCHY。このリストに入れること自体 “的外れ” と言われるのは百も承知ですが見たいものは見たいんです。MCバトルの実力は未知数ですが、楽曲やライブで見せるラップの迫力は日本語ラップ屈指です。地上波で見たいラッパーNo.1です。
もしもANARCHYがフリースタイルダンジョンにチャレンジするなら、映画『TOKYO TRIBE』では敵対勢力だったANARCHY vs 漢 a.k.a. GAMI のラップバトルが是非見たいです。劇中のANARCHYのラップシーンは最高に格好良かったです。そのオーラは監督・園子温も認めるほど。さまざまな事情があるようですが、一度はゲストライブにも呼ばれなくてはおかしい存在です。
彼に限った話ではありませんが、今までMCバトルに出ていなかったラッパーがいきなり参戦してどれだけ戦えるのか興味があるし、そんなサプライズを期待してしまいます。
DJ IZOH × ANARCHY Freestyle Session
AWA Music「ANARCHY & DJ IZOH編」
KREVA
BBOY PARK 3連覇を果たしMCバトルから身を引いた殿堂入りの王者。そんな彼ですがフリースタイルダンジョンのラスボス般若からは、ほぼ一方的に因縁をつけられていた過去があります。
そんな長きに渡る因縁に決着が付けられる場所はフリースタイルダンジョンしか残っていないのではないでしょうか。
もちろん宣戦布告以前に、というか「フリースタイルダンジョン」という番組が始まると聞いたときからKREVAが参戦することを妄想していました。2001年に直接対決している漢 a.k.a. GAMIにとってはまたとないリベンジマッチの機会ですし、KREVAと同じく3連覇王者R-指定との夢のカードも気になっていました。ですが、個人的には般若の宣戦布告のインパクトの前ではそれらも霞んでしまいます。
やはり本命は KREVA vs 般若 の1対1のエキシビションワンマッチでしょうか。今後の展開を考えただけでもゾクゾクします。果たして殿堂入り王者のフリースタイルダンジョン参戦は実現するのでしょうか。楽しみです。
※追記 2016 / 6.8
“基準” 2011
“王者の休日” 2013
“Under The Moon” 2015
以上、「フリースタイルダンジョンに出てほしい11人」でした!
ラップ好きの方なら、きっと出てほしいラッパーが一人や二人ぐらいはいるはずですし、「フリースタイルダンジョン」をきっかけにラップが好きになった方は、気になるラッパーを探してみたり、先回りして次のチャレンジャーを予想してみるのも楽しいかもしれませんよ! (Text by @Amadotokii)